ぶりこらーじゅ

思いついたことを組み合わせて

火種

わずかな気流の流れ、ほんの少しの事象の狂いで燃え尽きてしまいそうな火種を、どうにか養生しながら動き続けている。

 

もうバブルや高度成長期のような、日本全体に共有されていた、「良い方向へのレール」というのは我々の世代にはないのだ。我々は物心ついた時からバブル崩壊就職氷河期リーマンショック、年金制度崩壊、そういう言葉の雪崩を浴び続けてきた。それは言霊のように、我々の脳髄に染みつき、我々の行動を規定してきた。

 

もはや楽天的に生きることは許されない時代になってきているのだ。我々は明日のしれない絶望感を抱きながら、僅かな火種を守り続けてここまできている。

 

年金を貰う側の人間、バブルを崩壊させた側のに人間、団塊の人間に気付いて欲しいのは、若者がそういう微かな残りカスを、使い終わりのシャンプーのように薄めながらなんとかあなた達と同じ土俵で働けているということである。もう我々はあなた達のように希望を楽観視してがむしゃらには働けないのだと。大きな物語から摂取できる莫大なエネルギーが枯渇してる中、各々の小さな、小さなエネルギーをどうにかして失わないように努めているのだと。