ぶりこらーじゅ

思いついたことを組み合わせて

激しさ

試合前の高揚感。汗臭い体育館、不安と渇望の入り混じる鼓動、勝利の快感、敗北の辛酸。

 

演奏前の高揚感。温まった楽器と身体、バンド仲間とのアイコンタクト、銀賞に終わる後悔と、金賞を貰う快感と。

 

かつての自分にはどうやら激しさがあり、その激しさを以て生とするところがあったように思う。

給料を貰ってお勤めをしている今となっては、そのような激しさは消えうせてしまい、燃え上がることも吹き荒らすこともなくなってしまった。

 

お給料を貰ってパフォーマンスを発揮するっていうのはまあ役所仕事に限らず穏やかさが求められるものなのかもしれない。感情の昂りや熱中の有無に左右されるパフォーマンスというのは、なかなかに危うい。

 

穏やかになった。そう、穏やかになった。

今の自分にとっては試合前の高揚感、勝利の快感、感動的な出来事よりも、朝のお弁当のメニューだとか、洗濯物の干し方とか、そういうことの方が大事で、そこにあの熱は必要ないのだ。今の自分にとって、生を為すものは、そういうものなのだ。